*work-in-progress(House in Saitama)
生まれ育った地域に家を建てること。周囲との繋がりをもち、これからもここで暮らし、ここで一日や一年を繰り返しすごす。それを選んだクライアントにとって広い住宅街の一角は固有のものであった。一日の始点や終点として、人を送り出し、迎え入れる、日ごとに移り変わる「肌理」をもった動線的な空間をイメージした。
「暮らし」とは職場や学校、その拠点としての住居を転々と回遊するなかで成り立ち、またその円環そのものに名づけしたものである。その性質に着目し、階段を主軸とする3フロア、奥行9mの長手方向に大きく回遊する動線計画とした。様々な肌理が順々に現れる。細かく書籍の並ぶ本棚、滑らかに光を受ける金属質の曲面天井、細かな凹凸をもつ羽目板、見付60mmの木造床組みの現し。見え掛かりを最大限の奥行のなかで最小限に割付けることで、モノや光が等価に表情として現れる。モノも光も刻々と移り変わってゆく要素である。
この住居は「暮らし」の一延長として漠然と勝手気ままに利用されることを目指している。小さな要素の集積が美しく映り、それらを手で扱えるものとしている。それがこの住居においての「肌理」の考えである。
Data
所在地 |
埼玉県さいたま市 |
用途 |
住宅 |
構造 |
木造(在来工法+ラーメン工法) |
階数 |
地上3階建て |
敷地面積 |
107.35㎡ |
建築面積 |
37.80㎡ |
延べ面積 |
109.11㎡ |
設計完了 |
2024.08 |
工事完了 |
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Credit
施工 |
秋山建築有限会社 |
設計 |
2321建築設計 |
協力 |
[構造設計] soaps |
写真 |
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Client |
個人 |
Note |
*work-in-progress |